院長インタビュー

院長インタビュー


●下積み時代に培われた白内障手術の礎

ー先生は東大医学部を卒業した後、どのような経歴を辿ったのですか?
院長「私は熱海にある大学病院で一般研修を終えた後、二本松眼科病院で眼科の修行を積んで参りました。二本松眼科病院は白内障手術を年間で四千件行っている日本でも指折りの名門病院です。そこでは白内障手術を合併症なく治療するのは当たり前で、それ以上のものが求められました。具体的に言うと、いかに綺麗に、そして無駄なく手術を行えるかが問われました。その日、自分の行った手術が大きなモニターに映し出され、問題点がないか院長を含め先輩方に細かいチェックをして頂きました」

ーそれは大変なプレッシャーがあったのではないですか?
「もちろんありましたが、その時に教えてもらったことは今でも活かされています。例えば私は白内障手術を今まで四千件以上行っていますが、特に最近の二千件では合併症を起こしたことがありません」

ー白内障の手術にも合併症があるのですか?
「白内障の手術は簡単というイメージを持たれている方も多いと思います。しかし実際には破嚢(はのう)と言って、水晶体を包んでいる袋が手術中に破れてしまう合併症があり、その発生率は術者によって個人差があることで知られています。一般的には二百件に一件程度とされていますが、当院では最近の二千件で一件もこの合併症を起こしていません」

ーそれは凄いことですか?
「極端に合併症の数が少ないのは確かですが、凄いとは思っていません。患者様の大事な眼ですから、安全に、確実に手術を遂行することは当然の義務だと考えています。今まで厳しい修行を積んできたことと、一人一人の眼を必ず治そうと真摯に取り組んできたことが、今の結果に結び付いていると考えています」

●離島での硝子体手術
ーこうむら眼科では硝子体手術もしてるとのことですが、この手術について教えてくれませんか?
院長「硝子体手術は白内障手術よりもさらに目の奥を扱う、非常に高度な手技が求められる手術です。例えば白内障手術で万が一合併症が起きてしまった場合、この硝子体手術によってリカバリーすることが求められます。ところがこの手術が可能な施設では沖縄県全体でも少なく、施行できない施設では後日紹介という形になってしまいます。一方、当院では直ちに手術を開始することができます」

ー今までそのようなケースはあったのですか?
「先述のように当院ではそもそも合併症がほとんど起きていません。しかし一方で極めて難解な白内障手術も施行しており、場合によってはすでに水晶体が正常の場所にないケースもあります。そのような場合は最初からこの硝子体の手術を行っています。万が一合併症が起きてしまった際には、同様の手術を行うことになります。ですから想定外のことが起きて慌てるようなことは一切ありませんので、手術を受けられる方はとうかご安心して頂ければと思います」